戻る ロゴ

2021

DocSans

FONT

→ 冷静に、淡々と、しかし温かみをもってつたえる書体

DocSans(仮称) は、書類での本文使用を想定して制作した和文書体です。
書類やデジタルデバイス上のシステムフォントなど、汎用性の高い媒体における書体の使命は、
書かれている内容をノイズのないクリアな状態で伝達することだと思います。
タイプデザインの面白いところは、デザイナーの趣味性を文字に反映させることができる点ですが、
こういった用途を想定した書体では、そうした趣味性がノイズとなってしまうことも少なくありません。
そんななか、いちタイプデザイナー見習いとしていかに独自性を織り込むか。
その葛藤が、この書体を設計する上での非常に面白いところでした。

基本的にこの書体は、冷静に、淡々と、文章の意味をマジメに伝えられるように、
ふところ狭め、素直なラインで構成されています。
しかしそれだけでは、「ただの堅苦しいフォント」となってしまい、かえって排他的な印象を与えてしまいます。
紙面上の情報伝達において、読者を文字の並びに誘い込むことはとても重要だと思うのです。
そこで、人間の活動を想起させる有機的な曲線、右上がりの線を織り交ぜることで、
文章の意味をストレートに伝えつつも、親和性の高い表情をみせる書体を目指しました。

これは余談ですが、私が和文書体をつくる際はいつも、ひらがなの「き」からつくりはじめます。
ひらがなの中でいちばん、その書体の表情が現れる文字であると思っているからなのですが、
今回の「き」にはこの書体を代表する文字としてふさわしいかたちを与えられたと思います。
ぜひ下の入力欄に入力して、観察してみてください。

なお、漢字部分は、源ノ角ゴシック Regular をライセンスに基づき使用しています。